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当院からのお知らせ

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秩父地域における新型コロナ対策について(16)

梅雨入りして不安定な天気が続いています。

寒暖差や湿度の変化も非常に大きくなっています。体調を崩さないよう気をつけてお過ごしください。

今日は最近の新型コロナのニュースについて少し書いてみます。

(1)都内の感染者増加をどう見るか

東京都内でいわゆる『夜の街』関連の感染者が急増しています。急激な数の増加は集団検査したためとされており、全面自粛解除の方針は変わらない様です。東京都内の感染状況は大丈夫なのでしょうか?私は結構心配しています。

・現時点では発覚した感染者は特定の集団の人がほとんどです。しかし、検査対象の全体像がわからないのと、連日20人ほど出たホストクラブ関係の感染者は全員同じ店の関係者とのことです。歌舞伎町にはホストクラブが300店舗あるとのことなので、今回の検査で確認された人たちはごく一部の可能性があります。

・ホストクラブの客層は70%が同じく『夜の街』で働く女性とのことです。ホストクラブの客として行った方たちはプライバシー保護の為追跡ができていません。その為その方達も無症状のまま接客業として仕事をしている可能性があります。おそらくキャバクラや風俗などに行くのは普通の仕事をされている男性が多いので、時間差で『夜の街』の外にも感染が広がる可能性が高いと思います。

以上のことから今回の歌舞伎町での集団検査の結果は深刻にとらえるべきだと思っています。特定の集団感染といっても院内感染などと違い、拡大の歯止めがききにくい集団です。他人事と思わずに社会全体が警戒心を持って予防していたほうがいいと思います。

(2)最近の抗体検査の結果について

最近抗体検査による、一般市民の感染率の検査が行われています。

抗体検査はすでに新型コロナにかかったことがあるかどうかを調べる検査で、いつの間にかかかって自然に改善した人も陽性になります。東京での抗体保有率は0.1%で大阪で0.17%でした。これは東京で2000人ほどの検査なのであくまで参考ですが、1000人に1人くらいはすでに感染したということになります。この結果が意味するものは?

・都心部ではPCR検査が少なかったこともあり、潜在的に爆発的に流行が広がっている可能性も考えられていました。しかし今回の検査を受けて考えると、東京の人口1400万人のうち、1万4000人程度かかっている可能性がありますが、実際に確認されている約5600人と比較して驚くほど多くはないようです。日本の中では非常に感染者が多いイメージの東京ですらすでにかかった人の割合はかなり低いと言えます。

・爆発的な感染をしているニューヨークでは交代保有率17%、イギリスでも12%程度とされており、日本では新型コロナの第一波流行自体が非常に小さかったと言えそうです。

・この結果は、日本国民が集団としての免疫力をまだほとんど持っていないという事でもあります。人口の60%程度が免疫をつけると集団内での大きな感染は起きないと言われていますが、自然にそれを獲得するのは困難です。現在の抗体保有率は0.1%程度なので、日本人は何とかこのまま感染を抑えつつ、ワクチンでの集団免疫獲得を目指していくのが良いと思います。今は1人でも感染者を増やさないことを心がけて努力していきましょう。

(3)マスクの役割とつけるタイミングについて

日本ではマスクの重要性はずっと言われ続けていますが、世界的にも流行地ではとにかくみんなでマスクを着けようという方針になっています。暑くなってきてマスクを外すことの重要性も言われていますが、原則人と接触する時はマスクは必要だと認識してください。

元々咳やくしゃみなどによる飛沫が問題になっていますが、最近の研究で会話するだけでもかなり飛沫が飛ぶことがわかっています。咳エチケットだけでなく、人と会話する時はエチケットとしてマスクをすることを心がけてください。また、以前にも書きましたが新型コロナは発症する2日前から当日くらいまでが人にうつしやすいピークだと言われています。症状が出てからマスクでは遅く、無症状でも人と接触する時はマスクをする。これはとても大事なことです。お互いに気遣いがいらないように、つける常識を続けていきましょう。

一方でマスクによる熱中症リスク増大も懸念されています。

※屋外で、人と距離がとれるときはマスクを外しましょう。

※2歳未満のこどもにマスクは危険です。マスクをしないと明らかなに危険なところには連れて行かないようにしましょう。

(4)温度・湿度と新型コロナの関係について

これまでの研究により、気温と湿度が低い環境下で新型コロナウイルスは感染が広がりやすいということがわかっています。逆に、高温多湿の地域では感染は起こりにくいと考えられています。しかし一方で、日本の蒸し暑い夏が来ても流行が終息する可能性はなさそうと言われています。夏の間はある程度落ち着いている可能性はあるものの、感染予防をしっかり持続していることが大切という結論です。

 

自粛解除の流れが加速しています。前回の記事でも書きましたが、それぞれが生活に楽しみを取り戻し、経済活動を活性化することは大切だと思います。ただ感染予防の習慣が薄まって『赤信号、みんなで渡れば怖くない』的になっては絶対にダメです。みんなが安全に青信号を渡って、楽しみを共有できるようにルールを守っていきましょう!

色々高機能のマスクも出てきています。うまく利用して夏を乗り切りましょう!

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