当院からのお知らせ
秩父地域における新型コロナ対策について(29)
強い寒波に覆われてとても寒い冬になっています。秩父地域も例年以上の寒さとなり、非常に空気が乾燥した状況が続いています。ウイルスにとってはすごく居心地の良い気候になってしまっています。
全国的に新型コロナウイルスの感染拡大が止まりません。埼玉県も一日の感染者数が200人を越える状況になってきています。
12月に入りほとんどの人が感染予防の意識を高めています。そのおかげでインフルエンザなどの他の感染症はものすごく少ない状態が続いているにも関わらず、驚くほど新型コロナウイルスは勢いが止まりません。第3波になって改めて、「新型コロナの感染力の強さ」「誰も免疫を持っていない感染症の怖さ」を痛感しています。
9月10月は感染の拡大は穏やかになり、日本人がある程度の感染予防をしていれば、新型コロナの拡大はさほど起こらないのではないかと思っていました。しかし、その思いももろくも崩れ、相当気をつけていても広がり始めると簡単に広がってしまうことがわかってきました。残念ながらこの年末年始は『なるべく自粛して人と接触する機会を極力減らす』時期です。
これから年末年始に向けて、これ以上の拡大を防ぐために本当に頑張らないといけません。早くこの波を乗り越えて普通に近い生活を取り戻すために、今はもう一度『自分が絶対にかからない』『自分が絶対にうつさない』行動を徹底していきましょう!秩父地域の皆さんに年末年始の過ごし方について注意点を書いてみます。
《秩父地域外への外出について》
全国的に感染拡大している中で秩父地域は奇跡的に大きな流行はありません。地域内に新型コロナを持ち込まないために、地域外への旅行や帰省はこの年末年始は極力控えて下さい。全国的な流行になっており、都心部以外でも感染リスクが高まっています。安全な地域を選んで外出することも難しくなってきています。不要不急の外出は今は我慢の時だと思います。
《帰省の受け入れについて》
診療していて一番相談される内容です。流行地からの帰省を受け入れるべきかどうか、非常に悩まれると思います。このコロナストレスの多い中で、離れて生活している家族とお正月くらい一緒にという気持ちはよく分かります。ただ今の流行状況を考えると、帰省も極力控えた方が良いと思います。最近の感染経路を見ると、同じ屋根の下で一緒に食事をすると高率に感染してしまい、家庭内での感染を避けることは非常に難しい様です。帰省を控える場合はお互いにとても寂しいお正月になってしまいます。是非こまめに電話などで連絡を取ってコロナに負けないよう励まし合ってください。
《秩父地域内での交流について》
秩父地域内での交流は現時点では比較的安全だと思います。ただ同居している人やいつも一緒にご飯を食べている人以外との会食や飲み会など、飲食を伴う交流は極力避けて下さい。お互いマスクをした状態で趣味の交流をしたり、会話を楽しむことは良いと思います。お互いに相手を守る意識を持って楽しい交流をすると良いと思います。
こども同士の感染は比較的少ないとされていますが、こども同士の交流はどうしても濃厚になってしまいます。最近では保育園での集団感染などもみられています。マスクのできる年齢の子はなるべくマスクをする、同じおもちゃで遊ぶ時、おやつの時は必ず手を消毒するなど、最低限の注意はするようにして下さい。過度に交流を控える事はこども達のストレスを増やしてしまいます。この年末年始はなるべく地域内で安全に楽しく交流するようにして下さい。
《初詣について》
こんな世の中なのでいつも以上に初詣に行きたい気持ちです。秩父地域内で初詣に行くことは大きな問題はないと思います。屋外でお参りをする際に感染するリスクは少ないと思われます。「必ずマスクをしていく」「知り合いに会っても長時間の立ち話などは控える」「大きな声で騒がない」「混む時間帯を極力避ける」など注意しながら初詣に行くようにして下さい。みんなで世界平和を祈りましょう!
《外食について》
上にも書きましたが、現時点では普段から一緒にご飯を食べている家族・恋人・ごく親しい友人や同僚など以外との会食は控えて下さい。特に大人数での忘年会やクリスマス会は控えた方が良いと思います。同窓会の様な色んな地域の人が集まる会食は絶対にダメです。一方で普段から一緒に生活している人と地域内で外食することに大きな感染リスクはありません。気分転換も兼ねて家族での外食などはしていただくのは良いと思います。地域の飲食店も大変な状況になっています。家族での外食、テイクアウトなどで地域の人が地域の飲食店をサポートすることが大切だと思います。
《買い物について》
寒くなって乾燥して、今までよりも手を洗うこと、消毒することがつらくなってきましたね。手荒れの相談も増えています。そのせいもあると思いますが、以前と比べてお店の入り口で必ず消毒をするという習慣がゆるんでいる印象を受けます。買い物に行ったら入り口と出口で必ず手の消毒をするのを徹底しましょう。私は診察中にものすごく頻回に手洗い・消毒をするので、最近は手荒れ防止のためにゴム手袋をしています。冬の間スーパーなど色々なものに手を触れる所に行くときはゴム手袋をして、その上から消毒して入店すると良いかもしれません。出口で手袋を捨てて帰宅して、家でお湯でしっかり手を洗って下さい。
《自宅での過ごし方》
自宅内は極力ウイルスが入り込まないようにすることが大切です。帰宅したらしっかり手洗いをして部屋着に着替えるようにして下さい。また今はとても空気が乾燥しているので、加湿がとても重要です。加湿器を使用したり洗濯物を部屋干しするなど、湿度を上げる工夫をしてください。換気については家族のみで自宅にいるときには例年通りにたまに空気の入れ換えをする程度で良いと思います。ただ、普段生活を共にしていない家族やお客さんがきた時には、少し窓を開けて空気がうっすら流れている様にして下さい。空気を滞らせないことがとても大切です。自宅内はなるべく安全な状態を維持して自分と家族がリラックスして楽しく過ごせるようにしましょう。
《コロナかな?と思ったら》
熱が出てしまったり、咳が出るなど風邪症状がある場合は慌てずに医療機関に相談して下さい。秩父地域の多くの医療機関で発熱患者の診療をしており、PCR検査や抗原検査を受けることが出来ます。感染者との接触の可能性があるか、流行地への外出があるか、家族内で複数名風邪症状がいるか、などで検査するかどうかを判断していきます。どこの医療機関もまずは電話で相談し、指示に従って受診して下さい。
新型コロナの検査は症状が出てから2日(48時間)経過すると、検査の信頼度が高くなります。症状が出てすぐだと検査してもわかりません。風邪症状が出ても、軽い場合は1ー2日自宅でゆっくり休養し、少し時間をおいて受診相談して下さい。もちろんつらい症状がある場合はなるべく早く相談するようにして下さい。
現時点でPCR検査にしても抗原検査にしても100%の診断・否定できる検査ではありません。風邪症状の時はコロナの可能性もあると思ってとにかく人にうつさないように注意して下さい。
《最後に》
2020年は新型コロナウイルスの出現で本当に大変な1年になってしまいました。来年も引き続き新型コロナとの戦いが続くと思うとうんざりしてしまいます。でもこの戦いを諦めてしまう訳にはいきません。国や県などの行政からも様々な感染対策が行われますが、結局は自分の身は自分で守らないといけません。みんなが徹底的に自分の身を守れば必ずウイルスは居場所を失って収束していきます。繰り返しになりますが、今は頑張りどころです。第三波による被害がこれ以上広がらないよう、皆さん一人一人が意識を高めて、感染予防して下さい。
『全員マスクする』『会食を控える』『手を常に清潔にする』『換気する』『3密回避』宜しくお願いします。
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