
当院からのお知らせ
2021年秩父地域と新型コロナ(9)
3月21日で二回目の緊急事態宣言が解除されました。それから二週間も経っていませんが、世の中はすでにざわついてきています。以前の記事にも書きましたが、解除の時期にはすでに全国の新規感染者数は増加傾向にありました。現在はさらにその状況が顕著になり、一部の地域では『まん延防止等重点措置』が実施されることになりました。一時は全国の新規感染者数は1000人を切るくらいになっていましたが、最近は3000人近くになってきています。関東圏でも上昇傾向は顕著になり、埼玉県は比較的粘っているもののじんわり増加傾向が見られています。
テレビでは『第4波が懸念される』『第4波の兆しがある』と報道されていますが、第3波の時もそうこう言っているうちに急速に拡大する結果になってしまいました。第3波では北海道・大阪・沖縄などでの感染増加がみられ、その後首都圏に拡大し、全国的に大きな波となりました。また、『重症者数が多くなっていない』という理由でGoTo事業などを続けていたことも、結果的に病院がひっ迫し、多くの人が入院が必要でも入院できないような状態になってしまいました。今までの経験を生かすという意味では、波が大きくなってから気をつけるのではなく、早期にみんなで感染の拡大を止めないといけません。そうでないとまた多くの犠牲者を出してしまいます。
すでに第4波は始まっています。この波が大きくならない様、今からみんなで気をつけていきましょう!ただ行動制限するのではなく、これまでの経験と知識を生かした感染対策をしながら、できる範囲の経済活動をして、日常生活を楽しむことが重要です。
ここの所秩父地域は、新規感染者は時々出ても拡大はありません。ただこれまでの波を見ると、都心部で感染者が増えれば秩父にも必ず波が来ます。第3波では偶発的な流入からクラスターも発生してしまいました。もちろん一人一人が感染しない為に感染予防することが重要ですが、万が一自分が感染してしまっても人にうつさない様注意してください。高齢者のワクチン接種が完了する予定の7月までは秩父地域に大きな波を作らないことが目標です。『うつらない』『うつさない』行動を引き続きよろしくお願いします。
最近は《変異株》の話が良くニュースになっています。変異株の拡大は本当に驚異的で、その問題点について書いてみます。
(1)変異株は従来の新型コロナウイルスより感染力が強い
1人の人が新型コロナに感染した場合に何人に感染させてしまうかを計算すると、変異株では1.3~1.7倍の感染力があるとされています。実際にヨーロッパでは変異株の流行により、従来の感染対策をしていても感染拡大が起こり、フランスやドイツでは現在も増加傾向にあります。アメリカも一時減少傾向でしたが、高い水準のまま下がりどまり、今はやや増加傾向にあります。日本にもすでに変異株が入り込んでいますが、変異株が主流になると今まで以上に急速な感染拡大が起こる可能性が懸念されます。大阪などでの流行は変異株の影響もあるのではないかとされています。
(2)変異株は重症化や死亡のリスクも高くなる
イギリスではイギリス株といわれる変異株が大流行しました。この変異株は重症化率も高くなることが懸念され、死亡率は64%増加したと言われています。ほかの変異株はまだ明らかなデータは出ていませんが、重症化や死亡のリスクは上がっている可能性があると言われています。
(3)変異株はこどもに感染しやすい
従来の新型コロナウイルスはこどもにはうつりにくく、うつしにくいとされていました。そのため幼稚園・保育園・学校などのでの集団感染は比較的まれでした。しかし、変異株ではこどもへの感染力が増加していると言われています。現時点ではこどもに対する重症化の危険性は明らかになっていませんが、感染者数が増えれば当然一部に重症化がみられる心配があります。また元々こども同士は日常生活で密になる状況が多い為、集団感染が起きやすく、こどもを介して社会全体に大きく拡大する可能性があります。そのため変異株の流行により、再度休校や休園などの措置が必要になる可能性もあり、そういった面でもこども達に大変な悪影響が出ることが心配されます。
(4)変異株の種類によっては現在開始されているワクチンの効果が減弱したり、ほぼ無効になる
変異株の中にはすでに接種が始まっているワクチンで獲得できる免疫を逃避するものが出てきています。ワクチンの接種を広げることで、今後の感染拡大・重症化などを予防することを目指していますが、変異株の拡大によりワクチンの効果が限定的になってしまう可能性があります。そうなるとワクチン接種が進んでも私達の生活の制限は緩和できなくなってしまいます。何とかそれは避けたいところです。
《今できること》
現在変異株の検査は、新型コロナ感染者の5~10%にされています。国は今後40%程度まで増やそうとしていますが、現時点では変異株の全体像はつかめていません。地域ごとに色々工夫して変異株の拡大を防ぐために対策が取られていますが、全国的に徐々に拡大してきています。
今は変異株だけ注意して防ぐことはできません。すべての新型コロナウイルスの感染を防ぐことで日本国内での変異株拡大を何とか防がなければなりません。感染防御の方法としては従来のウイルスと大きな変わりありません。『マスク』『手洗い・消毒』『換気』『3密の回避』を今まで通り徹底していただくことをお願いします。
今月下旬から65歳以上の方に対してワクチン接種が開始されることが決まりました。対象となる方は是非接種を前向きに検討してください。変異株の拡大を抑え、ワクチン接種が進むことで元の生活に近づけることを願っています。
羊山の桜です。
長瀞の桜並木です。
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