当院からのお知らせ
2021年秩父地域と新型コロナ(16)
すっかり秋になってきました。涼しくなりましたがすっきり晴れない日が多く、何となくさわやかな気持ちになれませんね。
最近の秩父地域は、こども達の中で相変わらずRSウイルスが流行っています。RSは咳と鼻水の症状が強く、症状の期間も長いのでかかるととてもかわいそうで、心配になります。RSは3歳まではほぼ100%の子が一回は感染すると言われています。何回も繰り返し感染しますが、多くの場合何回もかかるうちに症状が軽くなる傾向があります。そのため一般的にはRS感染症の重症化は0~1歳くらいの子に時々起こるとされています。しかし、昨年は新型コロナの感染対策により、こどもの風邪が激減しました。RSを含む“普通のかぜ”をひく子がとても少なくいとしでした。そのため、今年はRSの免疫を持つ子が減り、大流行を起こしたと言われています。また、2~3歳くらいのこどもでも症状が強く出て、重症化することがあるそうです。RS感染症は集団保育の場で完全に予防することは困難ですが、RSを疑う風邪症状の時は無理な登園を控えるなど感染拡大防止を心がけてください。
大人の患者さんは秋の花粉症症状の方が出てきています。また、寒暖差によって喘息発作気味の方も見受けられます。花粉症や喘息などの症状はひどくなってから治療するよりも軽いうちから治療した方が落ち着きやすい傾向があります。症状のある方は早めに医療機関で相談するようにしてください。
さて、新型コロナについては全国的に第5波が落ち着きつつあります。秩父地域はみなさんの努力の甲斐があって大きなピークを作らず、8月中旬以降新規感染者は減ってきています。やはり感染者が出ると家庭内感染は防ぎきれない印象ですが、職場や学校での大規模なクラスターなくすんでいるのは本当に皆さんの日頃の努力のおかげだと思っています。引き続き、『秩父地域に新型コロナを持ち込まない』『万が一かかっても自分から周囲に感染を広げない』為の対策をよろしくお願いいたします。
現在新型コロナワクチンを、医師会や保健センターを中心になんとか頑張って打ち進めています。希望される方がなるべく早く、なるべく多く打てるよう、文字通り総力をあげています。ワクチン接種を受けることは御自身の体を守るだけでなく、地域全体の流行を抑えるために非常に有効です。接種対象になっている方は是非前向きに接種をご検討ください。
《新型コロナワクチンについて》
【効果について】
非常に高い感染予防(うつりにくい、うつしにくい)効果、重症化予防効果がわかっています。一部でブレイクスルー感染といわれる2回接種後の感染が見られていますが、現時点では重症化などのリスクはものすごく下げられており、かかっても軽くすむようです。コロナに感染するよりもワクチン接種する方が高い免疫力と長い効果が獲得できるとされており、現存の変異株に対しても十分な効果が証明されています。また、接種率の高い国では医療崩壊などのリスクも下げられていると言われており、社会にとっても良い効果があると思われます。
【接種後反応について】
新型コロナワクチン接種後には接種後反応といわれる注射した場所の痛みや熱などの症状がみられます。今主に接種している若い世代ではこれらの症状の頻度が高く、接種翌日は1日辛くなる人が少なくありません。ただ、ほとんどの場合接種後数日で症状が軽くなり、無くなっていきます。一方コロナに感染すると若い世代でも半年近く後遺症に苦しむことがあると言われています。自分の体を守る為、『1-2日で治るとわかっている風邪をひく』と思って、ワクチン接種を受けていただく事をお勧めします。
【10代の接種について】
10代の接種については心配されている方が多いかと思います。10代はコロナに感染しても重症化や死亡のリスクは極めて低いので余計に迷うと思います。現時点では10代に対するワクチン後の接種後反応(痛みや熱など)は成人と同程度と言われています。ただ10代の、特に男性は心筋炎の頻度が高い(41/100万程度)と言われています。数としては少ないものの、接種後に胸痛などがある場合は慎重な対応が必要とされています。
一方、中学生・高校生・大学生の生活は非常に感染拡大のリスクを伴います。部活動や寮生活での集団感染がたくさん報告されています。10代の若者の中で感染が広がることでそれぞれが家庭に持ち帰り、家庭内感染の原因になります。家庭内感染は防ぎようがないため、高齢者や基礎疾患のある大人がいる家庭では、10代の感染予防が非常に重要になります。また、これから受験シーズンを迎えるにあたり、大切な時期に感染をしないための予防も大切です。安全な学生生活と、受験シーズンの不安を軽減の為にはワクチン接種の前向きな検討が必要と思われます。ワクチンを受けるかどうかは親子でよく話し合っていただき、お互いが納得して決めるようにしてください。
【妊娠中・授乳中の接種について】
妊娠中の方や授乳中の方にも積極的な接種が勧められています。妊娠中全期間にわたって受けることが可能とされており、妊娠しているかどうかわからない人も接種して大丈夫です。妊娠中にコロナに感染すると重症化のリスクが高まるとされており、妊娠中の方、妊娠を考えている方も是非接種を検討してください。
【ワクチン接種について】
今日も日本中でたくさんの人がワクチン接種を受けています。すでに日本人も50%の人がワクチンの2回接種を完了しました。1回目の接種の時はみなさんとても緊張していて、前日眠れなかったという人も少なくありません。でもほとんど人が、ワクチン接種自体は思ってたよりずっとあっけないと感じていますし、接種後反応を乗り越えると本当に安心されています。注射自体が苦手だったり、不安を感じている方も、頑張ってワクチン接種を乗り越えるとコロナ不安が軽くなると思います。是非思い切って受けることを検討してください。
新型コロナワクチンの接種が日本で本格的に始まって半年が経過しました。今のところワクチンの有効性と危険性を天秤にかけると、圧倒的に有効性が勝っている印象です。私自身もみなさんにほとんど迷わず接種をお勧めしています。ただ個人個人という意味では絶対の安全はありません。ワクチンに不安のある方はなるべく正しい情報を知って、納得して受けるようにしてください。ワクチンを受けて良いか、直接相談したい方はもちろんご相談ください。
9月11日に秩父が『世界ふしぎ発見』に出ていました。まだまだ知らなかった秩父の魅力も紹介され、ますます秩父が好きになりました。武甲酒造の方の武甲山愛も共感しました。この時期に観光客が増えてしまうのは正直心配ですが、安全に秩父が盛り上がっていってくれることを願っています。
地域を守れるのは地域の人達だけです。引き続き秩父地域をみんなで守っていきましょう!
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