当院からのお知らせ
2022年秩父地域と新型コロナ(2)
とても寒い日が持続しています。空気の乾燥もあり風邪症状や胃腸炎の患者さんが全体的に増えています。ウイルスにとってはとても過ごしやすい状況になっており注意が必要です。
オミクロン株の爆発的な拡大が続いています。連日驚く程の新規感染者数が報告されており、その勢いは想定を大きく上回っています。デルタ株の流行時、日本は世界の中で特別でした。9月以降新規感染者が激減し、オミクロン株が出現するまで感染拡大を制御することができていました。その理由は今だに定かではなく、日本人のマスク着用の徹底や衛生管理の良さ、mRNAワクチンの短期間での接種などが言われていますが、いずれも推測の域を出ません。でも事実として日本は世界で突出してデルタ株を上手く抑えていました。
昨年末にオミクロン株が出現し、オミクロン株も日本では流行らない事を少し期待していましたが、2今年に入ってから日本も特別ではないことがはっきりしてきました。オミクロン株の感染力の強さは日本人にとっても脅威的で、感染者数は今までにない勢いで増加しています。オミクロン株の感染を防ぐ為には今まで言われている3密対策では十分ではなく、一時的に極力人と人の交流を避けるしかないと思われます。この三連休は休日診療体制になることもあり、実際の感染状況が明らかになりにくく少なめに見積られる可能性があります。今はどこが安全・誰が安全という事もなく、日本全国危険地帯になっています。是非注意してお過ごしください。
一方でオミクロン株は今までの新型コロナに比して重症化する確率は低くなっている事もわかってきました。またワクチン2回接種済の人は重症化予防効果がある程度保たれていると言われています。最も急激な感染拡大をしている沖縄でも今のところ重症患者は出ていないとの事です。ただ、沖縄でも1週間前までは新規感染者が非常に少ない状態でした。重症患者さんが増えるのは感染後7−10日後です。来週以降重症者が増加してくる可能性もあり、まだまだ注意を緩める事はできません。欧米では少し前からオミクロン株の爆発的な流行が起きており、感染者数が多い分、重症者数の増加、医療のひっ迫が見られています。社会を守る為には重症化率が低くても感染者数を極端に多くしない事は重要です。医療のひっ迫はただ病院が忙しくなるという事ではありません。脳卒中や心筋梗塞、交通事故などで緊急で集中治療を必要とする人達に医療を提供する体制が維持できない、癌や骨折などの手術が通常通り行えないなどの事を意味します。本来助かる命、治る病気の医療に支障をきたさないよう医療のひっ迫は避けなければなりません。感染者数が増えすぎると全例が入院ではなくなり自宅療養が中心になるなど、対応が軽くなった印象になりますが、あくまで病院のキャパシティを超えない為のやむない対応です。苦しいけど家にいなくてはいけなくなる可能性が増えてしまうので、入院が必要な人がしっかり入院できる様体制を整えなければなりません。その為にはもう少し時間稼ぎが必要です。
現在内服薬などの提供体制も急速に整備されてきているので、近い将来もう少しコロナと共存しやすくなってくるかもしれません。ただ、現状では体制が追いついていないので1人でも感染者を増やさない様みんなで気をつけていきましょう。
秩父地域でも連日感染者が報告されています。これから接触者への検査も行われていく為、来週以降は地域内での拡大が見られると思います。第5波までは秩父地域は周辺地域に比べると感染者数が抑えられていました。今回の波も秩父地域で大きな混乱が起きない様地域全体で頑張っていきましょう。繰り返しになりますが、オミクロン株に対しては今まで言われている感染対策だけでは抑えきれない可能性があります。もう少し全体像が見えてくるまでは、極力人との交流を避けて各自が身を守ってください。家庭内での感染は恐らく防ぎようがないので、それぞれが外に出た時に自分の身を守り、家庭に持ち込まないよう注意してください。緊急事態宣言やまん防の効果についてテレビなどで色々議論がありますが、宣言事態にもちろん効果があるわけではありません。コロナは感染症なので人と人の接触がなければうつることはなく、結局は一人一人の地道な感染対策にかかっています。宣言の有無に関わらず、今は一旦みんなで感染対策を徹底して感染拡大を防いでいきましょう。
憂鬱な毎日が長くならない様、みなさんのご協力をよろしくお願いします。
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