当院からのお知らせ
新型コロナと小児の風邪について
梅雨入りしましたが、蒸し暑い日が続いています。
すでに熱中症や夏バテの症状も見られており、暑さ対策をより意識していく必要がありそうです。
さて、全国的に小児の風邪症状が増加しています。最近はニュースにもなっていますが、ヘルパンギーナや手足口病などの夏風邪が増加しています。また、小学生以上の子達に多いマイコプラズマも今年は数年ぶりに出てきており注意が必要です。
コロナ感染症についても最近は増加傾向です。最近2週間くらいで秩父地域では比較的急速な増加傾向が見られており注意が必要です。現在秩父郡市医師会のホームページから秩父地域の感染状況が確認できるようになっています。感染状況にもご留意いただければと思います。https://chichibu-ishikai.jp/
小児の風邪症状については、色々な風邪が混在していて診断がはっきりしない事も多々あります。最近秩父地域でも多いのはヘルパンんギーナです。
ヘルパンギーナは38〜40℃の高熱が急に出て2−3日持続します。喉ちんこの根元のあたりに小さな水ぶくれができて喉の痛みを伴います。喉の痛みと高熱で食欲が低下して、時には水分摂取も減ってしまい脱水になってしまうことがあります。初期に頭痛や腹痛を伴うことがありますが、咳や鼻水などの症状はそれほど強くならない事が多いです。手足にも湿疹が出ると手足口病です。ヘルパンギーナと手足口病は同じエンテロウイルスの感染症で似たような病気です。多くの場合は2−3日で解熱して元気になります。初期の熱性けいれんと、脱水症に注意して看てあげてください。
『ヘルパンギーナ』
ヘルパンギーナに有効な薬はありません。辛い時期をうまく乗り切ることが重要です。①水分を十分にとるようにしてください。熱いものやオレンジジュース、すっぱいものは避けてください。冷ましたおみそ汁やスープ、リンゴジュース、牛乳、経口補水液などが比較的しみにくく飲みやすいと言われています。②食欲が低下してしまうので酸っぱいものや塩辛いものは避け、冷たくてのど越しの良いものをとるようにしてください。冷ましたおじや、豆腐、やわらかくしたうどん、バナナ、ゼリーなどが比較的食べやすいと思います。あくまで参考なので基本的にはこどもさんが飲みたがったり、食べたがって、とれるものであればなんでも良いです。水分と糖分が不足しないように気をつけて辛い時間を乗り切りましょう。③家庭内の感染対策として、こまめの手洗いとタオルの共用は避けてください。便からもウイルスが出るのでおむつ交換後などもよく手を洗ってください。④解熱して、ご飯が食べられて、元気があれば登園・登校可能になります。ただ、流行状況によって登園の目安を少し変更している場合もあるので、診断された場合には園に報告して指示に従ってください。
『その他の風邪』
現在はヘルパンギーナ以外にも、咳や鼻汁が強い風邪、胃腸炎症状の風邪なども見られています。コロナも増えているようですが、実際にはコロナの検査は陽性にならない風邪のこどもさんが多いです。RSやヒトメタニューモウイルスなども時々出ますが、どこかですごく流行しているという印象はありません。風邪症状のこどもさんをお家で看ているのはかわいそうで大変ですが、ほとんどの風邪には特効薬がありません。辛い時期の症状を少しでも和らげてあげつつ、本人が病気に勝つのを見守るというのが基本になります。一般的なホームケアについて簡単に書いてみます。
『風邪症状のホームケア』
①風邪の時に出る症状は、病気とたたかう為の防御反応です。症状を完全に抑える事は逆効果になってしまう可能性もあります。発熱は、熱が高くて飲食できない、眠れないなどの時に、消耗を防ぐ為に解熱剤を使用します。元気な時は無理に平熱を目指して下げる必要はありません。咳症状は辛さを軽減する為にたんきりの薬や咳止めを使用しますが、あくまで咳き込んで眠れない、吐いてしまうなどの症状を軽減する為です。薬を飲んでもすぐに治ったりするものではありません。こどもさんが病気と戦っているのをサポートするつもりで見守ってください。
②鼻水症状には鼻うがいや鼻水吸引が有効です。鼻うがいは小さい子はできませんが、熱が高くなければ入浴後などに鼻吸引をしてあげてください。寝ている時の鼻詰まり症状などにはヴェポラップのような物も有効だと言われています。
③咳症状には、部屋の加湿と水分補給が重要です。ヴェポラップや、1歳以上のこどもさんには少量のはちみつ(ティースプーン一杯程度)を飲ませることも効果があると言われています。寝る時は少し上体を上げるなど、なるべく楽な姿勢にしてあげてください。鼻汁が多い場合は鼻の垂れ込みが原因になる為上記の鼻水対策も並行して行ってください。
④発熱に対しては、高熱の時は脇の下などを氷枕などで冷やしてあげる(クーリング)と少し楽になる場合があります。ただこどもさんが嫌がってしまう場合などは無理にやる必要はありません。クーリングや熱さまシートは本人がやった方が快適そうであればやってあげる様にしてください。
⑤こどもさんがぐったりしてしまったり、呼吸が辛そう、高熱が持続するなどの時は再度医療機関を受診してください。この様な場合は夜間でも夜間救急に相談しましょう。また、秩父地域では小さいこどもさんの検査や点滴ができる医療機関は多くありません。(当院では行えません。)体調が悪く心配な時はなるべく平日の午前中に医療機関に相談するようにしてください。
コロナ対策の緩和に伴い、こどもの風邪が全国的に急増しています。コロナ禍の対策が異常だった事もあるのである程度の流行は致し方ありません。ただ、こどもが風邪をひいている時はこどもさんもかわいそうですし、お父さんお母さんも大変になります。日頃から家族中で風邪に負けない体力づくりと、早めのホームケアをよろしくお願いします。
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