当院からのお知らせ
2024年秋コロナワクチン定期接種について
2024年10月11日~コロナワクチンの秋の定期接種(65歳以上の方が対象)を開始しています。
コロナワクチンは事前予約制です。窓口かお電話で予約して下さい。
原則として毎週金曜日に接種を行います。
当院通院中の患者様で金曜日にご都合がつかない方はご相談下さい。
インフルエンザとの同時接種は行いません。当院では原則1週間は間隔を空けていただくようにしています。
よろしくお願いします。
HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)キャッチアップ接種について
HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)について
ヒトパピローマウイルス(HPV)は、性的接触のある女性であれば50%以上が生涯で一度は感染するとされている一般的なウイルスです。子宮頸がんをはじめ、肛門がん、膣がんなどのがんや、尖圭コンジローマ等、多くの病気の発生に関わっています。特に、近年若い女性の子宮頸がん罹患が増えています。
HPVワクチンの積極的な勧奨の差し控えにより接種機会を逃した女性に対して公平な接種機会を確保することを目的として、キャッチアップ接種が実施されています。
キャッチアップ接種はと、公費でワクチン接種を受ける期間を過ぎてしまった方に対して、一定期間公費(無料)でワクチン接種ができるようになっている救済制度です。
現在行われているHPVワクチンのキャッチアップ接種は今年度末で終了するため、3回のワクチン接種を2025年3月までに完了しなけれななりません。そのためには8月末頃までに初回接種を受けなければなりません。。
自費で受けると3回合計で10万円程度かかるワクチンなので、接種を希望される方はこの機会を逃さない様ご注意ください。
◆ 対象となる方
次の2つを満たす方が対象となります。
- 平成9年度生まれ~平成19年度生まれ(誕生日が1997年4月2日~2008年4月1日)の女性
- 過去にHPVワクチンの接種を合計3回受けていない
◆ 接種可能な時期について
実施期間は、2025年3月末までとなっています。3回の接種を完了するのに6ヶ月かかります。8月末までに接種を開始することをお勧めします。
※2024年度に高校1年生相当の女子も、公費で接種できるのは2025年3月末までです。
◆ 接種するワクチンの種類とスケジュール
公費で接種できるHPVワクチンは、3種類(2価 ワクチン(サーバリックス®)、4価ワクチン(ガーダシル®)、9価ワクチン(シルガード®9(※1))あります。決められた間隔をあけて、同じワクチンを合計3回接種します(※2)。当院では原則9価ワクチンを使用しています。
- ※1 2023年4月から、シルガード®9も公費で受けられるようになりました。
- ※2 1回目、2回目に気になる症状が現れた場合は、2回目以降の接種をやめることができます。
HPVワクチンは人パピローマウイルスの感染を予防することで子宮頚がんの高い予防効果が認められています。日本人はHPVワクチンの接種率が低いこともあり、子宮頸がんの患者さんが多く、女性の大きな健康問題となっています。
接種をご希望される方は、お電話で予約してください。
HPVワクチンについては秩父郡市医師会のホームページや、厚生労働省のホームページにも詳しく解説されています。迷っている方は参考にしていただければと思います。
秩父郡医師会:https://chichibu-ishikai.jp/
6月の診療予定
6月の診療予定をお知らせします。
☆2024年4月から金曜日の婦人科外来は休診となっています。婦人科外来は火曜日・水曜日・土曜日午前です。ご迷惑をおかけしますが気をつけて受診してください。
【臨時休診】
①内科外来(近藤秀一)休診:6/15(土)終日 ※研修会参加の為休診となります。
②風邪症状外来(近藤秀一)休診:6/22(土)午後 ※神経内科診療日の午後は原則風邪外来は休診になります。
【専門外来診療日】
①神経内科・内科外来診療日(嶋田倫子):6/22(土)今月は第4です。 ※初診は予約制になります。
②内科・女性外来(工藤尚子):6/5午前、6/19午前
③眼科外来(嶋田摂也):6/26 ※予約制になります。お気軽にお問い合わせください。
④循環器外来(三友悟):毎週金曜日 ※予約制になります。お気軽にお問い合わせください。
インフルエンザ感染症が急増しています!
朝夕の冷え込みが強くなり、秋らしい日が続いています。日中は暖かくなるため、寒暖差が大きくなり、体調管理が難しくなっています。今年は秋花粉症も多いとのことで、例年は秋花粉症がない方にも症状が出ている方がいます。風邪が流行っているため、外出時はマスクを着用するようにしてください。
さて、秩父地域では発熱患者さんが急増しています。流行の主体はインフルエンザA型で、地域内の学校では同時多発的に学校閉鎖や学級閉鎖が見られています。コロナの流行はやや落ち着いていますが、RSウイルスやアデノウイルスの感染、迅速検査では原因がわからない風邪の患者さんも多く、例年にない秋の感染症大流行が心配されます。
インフルエンザAは今年は夏の終わりから流行が見られ、一旦収束するかと思われましたが、10月中旬以降非常に急速に流行しています。インフルエンザは急激な高熱と、頭痛・関節痛・悪寒で発症し、少し遅れて鼻水・咳・咽頭痛などが出てくることが多いです。目の充血や耳が赤くなっていることも多く、高熱とこれらの症状がある場合はインフルエンザを疑います。
迅速検査は可能ですが、発症後12時間程度経っていないと陽性にならないことが多く、受診が早すぎると疑わしくても診断に至らないこともあります。
治療には抗インフルエンザ薬がいくつかありますが、基本的には使用しなくても自然治癒します。喘息などの背景がある場合や、初期症状の重症感が強い場合に使用を検討します。治療の主体は対症療法になります。咳症状に対しては咳止めの薬以外にも、加湿をしてあげたり、はちみつを少量なめさせたり(1歳未満ははちみつはだめです)、ヴェポラップを胸に塗ってあげることも有効です。体を起こし気味にしている方が楽なので、少し上体を起こして寝かせてあげるようにしましょう。
予防としては、コロナと同様に飛沫感染が主なので、マスクの着用が最も重要です。身近でインフルエンザ感染者が出てきた場合には、みんなでマスクを着用して拡大を防ぐことが望まれます。
地域内での急激な発熱患者さんの増加に伴い、医療機関への受診が難しくなっています。当院でも元々設定している風邪症状外来の枠を大きく超えて受け入れるようにしていますが、それでも受け入れられない日が多くなっています。ちょうどコロナワクチン・インフルエンザワクチンの時期も重なっており、通常診療を行いながらの風邪症状外来には限界があります。大変ご迷惑をおかけしますが、何卒ご理解ください。
基本的には数日以内に当院に受診されている方の再診はお受けしており、診療の流れによっては後からご連絡いただいた方を受け入れられる場合があります。併せてご理解ください。
これから冬に向けてさらに感染症が流行する可能性がありますので、感染対策と共にそれぞれの家庭での備えをお願いします。
①すぐに医療機関を受診できない可能性もあるため、解熱薬や咳止めなどの市販薬を買っておくと良いと思います。全国的に処方できる風邪薬が不足してきているため、咳止めなどは処方できなくなる可能性があります。現時点では市販薬は比較的入手できるので、今のうちに買い置きすると良いです。
②インフルエンザとコロナの迅速検査キットを買い置きすると良いと思います。熱が出たりした場合は、なるべく12時間程度空けてから検査を行ってください。辛い症状がある場合や対応に困る場合は、医療機関に相談してください。
③日常的な体調管理(しっかり寝て、しっかり食べる)を心掛けてください。また、お部屋の加湿も大切です。体が冷えると感染症に対する抵抗力が低下するため、寝る時の服装や掛け物にも注意してください。
④インフルエンザワクチンも接種を検討してください。今年は少し早めの接種をお勧めします。
⑤体調が悪いと感じたら無理せず休養してください。周囲に感染を広げてしまわない様みんなで注意していきましょう。
これから秩父夜祭に向けて秩父地域は盛り上がっていきます。楽しくお祭りやお正月を迎えられる様、みんなで気をつけていきましょう。よろしくお願いします。
【重要】風邪症状外来について(2023年10月15日更新)
当院の風邪症状外来(発熱外来)についてご連絡します。
5月からのコロナ対策の緩和により、今年の夏は様々な感染症の流行がありました。お盆過ぎからはコロナとインフルエンザの同時流行も見られ、学級閉鎖なども見られていました。10月現在はコロナとインフルエンザはやや落ち着いてきた印象ですが、寒暖差も大きくなり風邪症状自体は大きく減っていない印象があります。暑く長い夏が終わり、急激に朝夕が冷え込むようになりました。体を冷やして風邪をひかない様ご注意ください。
こども達が日常生活の中で風邪をひくことはある程度仕方ありませんが、現在秩父地域では小児の風邪症状が多くなりすぎると、診療体制がひっ迫する状況にあります。
たくさん遊んだ日は早めにしっかり休養を取る、体を冷やさないように注意する、バランスよくしっかり食事をとるなど、風邪に負けない体力づくりを心がけていただければと思います。
当院の風邪症状外来は、安全管理上の観点から制限なく風邪症状の方の診察を行うことは難しいと考えています。受診される方とスタッフの安全管理と、通常診療を維持する為、風邪症状での受診者数の上限枠を設定させていただくこととしています。また、コロナは5/8以降に5類感染症に変更となりましたが、今後も感染症症状と一般診療は隔離の診療体制継続が必要と考えています。※当院は小児科の医療機関ではありませんが、小児の受け入れ医療機関が少ないこともあり、現状では小児を優先的に受け入れています。
ご不便をおかけしますが、ご協力の程よろしくお願いいたします。
【風邪症状外来(発熱外来)の受診について】
(1)風邪症状(発熱・咳・鼻汁・頭痛・下痢・関節痛など)で受診される方は事前に電話してください。電話をいただいた方は時間帯の割り振りをさせていただきます。(9:30-10:00頃等)ただ、時間の割り振りは受診の集中を避ける為なので、診療の状況によっては来院後も診察までお待たせしてしまうことがあります。厳密に予約時間ではありません。診療内容によって一人一人にかかる時間が異なる為ご理解ください。あくまで来院して頂く時間の目安なので、時間に余裕を持って受診してください。
(2)対象は、①当院かかりつけの大人の方と、②14歳以下の小児(小児の受け入れ医療機関が少ない為。小児は初診も可です)とします。※対象の方が受診される場合、同居家族の方(ご両親・ご兄弟なども有症状の場合)については極力対応しますのでご相談ください。※無症状の方の陰性証明などの検査は原則行いません。
(3)直接来院された場合も、原則時間の割り振りをさせて頂きます。なるべく自宅から電話を入れてから受診してください。※診療の空き状況によってはそのまま受け付けしますが、難しいこともあります。
(4)電話は朝8:40頃から受け付けます。※時間帯によってつながりにくくなります。極端に早い時間の電話はお控えください。朝の診療準備がある為8:30前の電話は取れない場合があります。
(5)新型コロナやインフルエンザの検査は希望があれば極力対応します。ただ、検査は、症状や周囲の感染状況、その日の検査数、検査キットの在庫状況により変わります。必ずしもPCR検査を行うわけではありません。※当院では新型コロナやインフルエンザの迅速検査は、原則鼻の奥を綿棒でこする方法(鼻咽頭ぬぐい法)で検査します。
(6)風邪症状(発熱・咳・鼻汁・頭痛・下痢・関節痛など)で受診される方は、風邪症状専用の診察室で診察します。なるべく車で来院し、院内には入らず駐車場から電話して受付してください。※自転車や徒歩で受診される場合は事前にお知らせください。流行状況により待ち時間がかなり長くなることがあります。申し訳ありませんが、予めご了承ください。トイレはなるべく済ませていらしてください。※必要な時はご案内しますので電話でご相談ください。
(7)小児の風邪症状も、事前に電話をしてから受診してください。風邪症状の方が多い場合は、お待たせする時間がかなり長くなってしまう可能性がありますので時間に余裕を持って来院してください。また、明らかに緊急性のある状態の時は電話時にお伝えください。当院は小児科専門医のいる医療機関ではない為、病状によっては小児科医療機関の受診をお勧めする場合や、受診後ご紹介する場合もあります。
(8)当日受付枠がいっぱいになってしまった場合は、その日の受付を終了する場合があります。枠を超えても極力お断りしないようにしていますが、診療状況によりどうしても受け入れきれないこともあります。申し訳ありませんがご理解ください。キャンセルなどが出ると、後からご連絡いただいた方でも受け入れられる場合もあります。数日以内に受診された方の再診については枠に関わらず原則受け付けています。翌日以降の予約は受け付けておりません。
これから風邪の流行期である寒い季節がやってきます。医療機関ではすでに風邪薬や検査キットの不足が深刻になっています。それぞれが感染症に対する予防と備えをよろしくお願いします。
・風邪に負けない様、規則正しい生活を心がけましょう。
・解熱剤や風邪薬などの置き薬を準備しておきましょう。(現在処方薬が手に入らない状況です。咳止めなどの市販薬も是非買い置きをお願いします。)
・コロナ・インフルエンザの抗原キットを自宅にいくつか用意しておきましょう。※陽性の場合は、翌日から5日間は原則自主的に隔離期間としてください。濃厚接触者にあたる方は体調の変化に慎重に注意してください。もちろん症状が辛い時は医療機関に相談して下さい。
・症状が出た時に、医療機関を受診する方法を事前に確認しておきましょう。
新型コロナと小児の風邪について②
暑い日が続いています。今年は暑さの程度も強いですが、中休みもなくずっと暑いので夏バテ気味の方が増えている印象です。まだしばらく暑さが続く様なので、気をつけてお過ごしください。
最近はコロナによる風邪症状の方が非常に増えています。秩父地域でもお盆過ぎに感染者数が増加し、多い状態が続いています。(秩父郡市医師会のHPから感染者数が発表されています。)夏休みも終わり、こども達の接触も増える為引き続き注意が必要です。最近の傾向として、いわゆる重症化はほとんど見られませんが、最初の数日は高熱や倦怠感などが強く、辛い風邪という印象です。家族中でかかってしまう事も多く、家中で大変な数日間があります。やっぱりなるべくかからない方がいい感染症だと思います。以前の様な感染対策はできないと思いますが、流行期という事を共有して、流行りすぎない様に注意して頂ければと思います。
今年はコロナの流行に加えて、初夏からの小児の風邪の大流行が見られた為、風邪薬がなくなってきています。都内の医療機関では咳止めなどの処方はほぼできず、市販薬を買う事を勧めている様です。現状では当院の門前薬局(たちばな薬局)ではなんとか薬の確保をしてくれていますが、今後は処方の制限が出てくる可能性があります。処方の日数や種類などが今まで通りにいかないかもしれませんがご理解の程よろしくお願いします。
小児の風邪はコロナ以外にもアデノウイルスの流行がみられてます。アデノウイルスは夏から秋にかけて特に多くなる感染症です。こどもの風邪の中では〝ひどめ〟〝長め〟という特徴があります。発熱・咽頭炎・結膜炎が主症状で、プール熱や流行り目の原因となります。高熱が4-5日続く事もあり、喉の痛みも伴う為、食欲が低下して消耗してしまう事もあります。下痢や腹痛などの消化器症状を伴う事もあります。特効薬がない為、治療としては解熱剤などを使用しながら脱水や低血糖などに注意して、治るのを待つしかありません。感染力が強い為兄弟間や親子間でもよくうつります。大人はさほど重い症状になる事は稀ですが、若い人程症状が強く出る傾向があります。飛沫感染・接触感染する為、マスクは予防に有効です。またタオルの供用などでもうつるので、家庭内でも避ける事が望ましいです。迅速検査がありますが、それほど精度は高くありません。疑わしい場合はそれとして注意して対応する必要があります。
とても暑い日が続いているのでなかなかマスクをずっとつけているのは大変になっています。ただコロナの感染者がとても増えてきている事、同時多発的に風邪症状の人が増える事で医療機関の受診や薬の確保が難しくなってきている事を知って頂き、皆さんに少しずつ感染対策を心がけて頂ければと思います。よろしくお願いします。
小児感染症の大きな波が続いています。
全国的に小児の感染症の大きな波が続いています。小児感染症の急増で、全国の小児科外来はどこも混雑、入院病床もギリギリという状況が続いているようです。元々小児科外来は流行に大きく左右される為、医療機関の混雑具合にも波があります。しかし、今回の5月中旬以降続いている大きな波は、複数の病気が混在していて、流行期間も長いという特徴があります。この波もいずれ落ち着くと思いますが、現時点で秩父地域でも、小児科を受診しにくい、入院が必要と思われるこどもさんもなかなか入院先が見つからない状況になっています。当院の様な小児科専門でない医療機関も、ずっと小児の風邪症状が多い状況が続いています。これからちょうどお祭りや夏休み、プールなどのシーズンでこども達にとっては楽しい貴重な時期でもありますが、体調管理にもご注意ください。
保育園や幼稚園は子どもたちの集団生活の場です。これまで集団生活をしていなかったこどもさんが入園すると、多くの感染症にさらされ、毎週のように熱が出ます。せっかく入園したのに、最初の頃はほとんど通えないこどもさんもいます。保護者の中には「子どもに負担がかかっているのでは」と悩まれたり、「こんなに何度も風邪を引いて、生まれ持って免疫が弱い病気が隠れていたりするのでは」と不安になったりする方もいるかもしれませんが、これは一般的によくあることです。コロナ禍の感染症対策によって、すでに集団生活を始めていたこどもさん達も感染症にかかる機会が減少していました。その影響で、今は乳幼児が一斉に感染症にかかりやすい状況になっています。流行っている病気の種類も多い為、繰り返し風邪を引いてしまうこどもさんもたくさんいます。手洗いなどの基本的な感染対策と、日頃の体調管理をよろしくお願いします。
秩父地域でも最近はRS感染症が多くなっています。RS感染症は小児の風邪の中では特に重症度が高く、注意が必要です。RS感染症の特徴を少し書いてみます。
【RS感染症】
RS感染症はもともと冬場に流行する『冬の風邪』の代表格です。しかし、近年では季節性が乏しくなり、夏場にも流行が見られるようになっています。今年は5月中旬頃から全国的に流行が始まり、近年にない大流行になってきています。
RSウイルス感染症は1歳までに7割、2歳までにほぼすべての子どもが1回はかかるという、感染症の原因としてとても多いウイルスです。『はじめての感染』では症状が悪化することが多いのですが、繰り返しかかるうちに、だんだん症状が軽くなっていくことが知られています。『はじめての感染』では10人に4人程度は咳症状が重く気管支炎や肺炎になり、10人に1人くらいは入院が必要になると言われています。また、小さいこどもさんの場合は中耳炎の合併も多いと言われています。
特に生後6か月未満であると重症化のリスクがあります。小さい赤ちゃんの場合は特に急激な悪化に注意が必要です。最近では2歳くらいまではかなり重症になってしまう印象があり、『はじめての感染』が遅くなっているのかもしれません。逆に3歳以上のこどもさんは多くの場合『はじめての感染』を経験しています。2回目以降は入院するほどの重篤化は少なくなっていきます。
【RSの典型的な経過】
症状はまず発熱・鼻汁からはじまることが多く、2~3日続きます。このままひどくならずに回復することも多いですが、一部の子に4~5日目くらいから気道症状の悪化、すなわち咳や喘鳴(ぜいぜい、ひゅーひゅーとした呼吸)、努力呼吸、多呼吸(呼吸が速くなる)などの症状が出てきます。呼吸数が40回を超えると速くなりはじめている、そして60回をこえるととても速いと考えます。(15秒間の呼吸数を数えて×4で考えてください)そして、息を吸うときに胸骨や鎖骨の上の陥没(凹む)などがあるかなど呼吸の状態を確認します。呼吸状態が悪いと感じた場合は早めに医療機関に相談しましょう。発熱も5日程度持続することが多く、長いと7日間程度持続します。5日間以上持続する場合は中耳炎や気管支炎を起こしている場合もあります。医療機関に相談しましょう。
【RS感染症の治療】
RSウイルスに効く特効薬はありません。また症状に対しても特別な治療があるわけではありません。咳止めや解熱剤などで辛い症状を極力軽減しつつ、回復を待つしかありません。鼻水が多くて辛いことがあるので、可能であれば鼻水を吸引してあげることは有効です。風邪をひきやすいこどもさんの場合は電動の鼻吸引があると便利です。咳症状に対しては咳止めの薬以外にも、加湿をしてあげたり、はちみつを少量なめさせたり(1歳未満ははちみつはだめです)、ヴェポラップを胸に塗ってあげることも有効です。体を起こし気味にしている方が楽なので、少し上体を起こして寝かせてあげるようにしましょう。
登園は解熱して、全身状態が良く症状が改善していれば可能になります。ただ、咳症状が強い間は周りの子にうつしてしまう可能性は高いため、今の様な流行期は少し余裕を持って咳が落ち着いてきてから登園するように心がけてください。
RSウイルス感染症はこどもの風邪の中では症状が重く、夜も眠れなくなってしまうため、看病している家族もとても大変です。大人は通常重症になりませんが、疲労がたまっていたりするとそれなりに体調が悪化してしまう場合もあります。家族みんなでしっかり休養を取りつつ、お大事にしてください。
小児感染症の波はまだしばらく続きそうですが、感染症の流行が一周すると落ち着いてくるのではないかと思います。こども達が健やかに過ごせる様、地域全体で気をつけていきましょう。
【重要】風邪症状外来について(2023年7月13日更新)
当院の風邪症状外来(発熱外来)についてご連絡します。
5月の中旬くらいから、小児の感染症が非常に多い状況が持続しています。コロナ対策の緩和により、ここ数年大きな流行のなかった『こどもの風邪』が一斉に流行している様な状況です。
最近ではヘルパンギーナや手足口病などの喉の痛みと高熱がでる夏風邪と、RSやヒトメタニューモウイルスなどの咳が強く熱が長いタイプの咳風邪が多く、それに加えてアデノ・溶連菌などもいてカオスな状態が続いています。その上コロナのり患者も増加傾向で、小児のコロナも多くなってきました。症状が比較的重くなってしまうことも多く、市立病院の小児科も検査や点滴を要するこどもさんが多く大変な状況の様です。
こども達が日常生活の中で風邪をひくことはある程度仕方ありませんが、現在秩父地域では小児の風邪症状が多すぎて対応しきれないような状況になっています。
たくさん遊んだ日は早めにしっかり休養を取る、暑い日でも体を冷やしすぎないように注意する、バランスよくしっかり食事をとるなど、風邪に負けない体力づくりを心がけていただければと思います。
当院の風邪症状外来については、コロナ禍の教訓で、安全管理上の観点から制限なく風邪症状の方の診察を行うことは難しいと考えています。受診される方とスタッフの安全管理と、通常診療を維持する為、風邪症状での受診者数の上限枠を設定させていただくこととしています。また、コロナは5/8以降に5類感染症に変更となりましたが、今後も感染症症状と一般診療は隔離の診療体制継続が必要と考えています。※当院は小児科の医療機関ではありませんが、小児の受け入れ医療機関が少ないこともあり、現状では小児を優先的に受け入れています。
ご不便をおかけしますが、ご協力の程よろしくお願いいたします。
【風邪症状外来(発熱外来)の受診について】
(1)風邪症状(発熱・咳・鼻汁・頭痛・下痢・関節痛など)で受診される方は事前に電話してください。電話をいただいた方は時間帯の割り振りをさせていただきます。(9:30-10:00頃等)ただ、時間の割り振りは受診の集中を避ける為なので、診療の状況によっては来院後も診察までお待たせしてしまうことがあります。厳密に予約時間ではありません。診療内容によって要する時間が異なる為ご理解ください。あくまで来院して頂く時間の目安なので、時間に余裕を持って受診してください。
(2)対象は、①当院かかりつけの大人の方と、②14歳以下の小児(小児の受け入れ医療機関が少ない為。小児は初診も可です)とします。※対象の方が受診される場合、同居家族の方(有症状)については極力対応しますのでご相談ください。※無症状の方の陰性証明などの検査は原則行いません。
(3)直接来院された場合も、原則時間の割り振りをさせて頂きます。なるべく自宅から電話を入れてから受診してください。※診療の空き状況によってはそのまま受け付けしますが、難しいこともあります。
(4)電話は朝8:40頃から受け付けます。※時間帯によってつながりにくくなります。極端に早い時間の電話はお控えください。
(5)新型コロナやインフルエンザの検査は希望があれば極力対応します。ただ、検査は、症状や周囲の感染状況、その日の検査数、検査キットの在庫状況により変わります。必ずしもPCR検査を行うわけではありません。※当院では新型コロナやインフルエンザの迅速検査は、原則鼻の奥を綿棒でこする方法(鼻咽頭ぬぐい法)で検査します。
(6)風邪症状(発熱・咳・鼻汁・頭痛・下痢・関節痛など)で受診される方は、風邪症状専用の診察室で診察します。なるべく車で来院し、院内には入らず駐車場から電話して受付してください。※自転車や徒歩で受診される場合は事前にお知らせください。流行状況により待ち時間がかなり長くなることがあります。申し訳ありませんが、予めご了承ください。トイレはなるべく済ませていらしてください。※必要な時はご案内しますので電話でご相談ください。
(7)小児の風邪症状も、事前に電話をしてから受診してください。風邪症状の方が多い場合は、お待たせする時間がかなり長くなってしまう可能性がありますので時間に余裕を持って来院してください。また、明らかに緊急性のある状態の時は電話時にお伝えください。当院は小児科専門医のいる医療機関ではない為、病状によっては小児科医療機関の受診をお勧めする場合や、受診後ご紹介する場合もあります。
(8)当日受付枠がいっぱいになってしまった場合は、その日の受付を終了する場合があります。極力お断りしないようにしていますが、状況により受け入れきれないこともあります。申し訳ありませんがご理解ください。翌日以降の予約は受け付けません。
今の感染症大流行はいずれ落ち着くと思っていますが、夏祭りなどもある為更なる感染症の拡大には注意が必要です。
・風邪に負けない様、規則正しい生活を心がけましょう。
・解熱剤や風邪薬などの置き薬を準備しておきましょう。
・コロナの抗原キットを自宅にいくつか用意しておきましょう。※陽性の場合は、翌日から5日間は原則自主的に隔離期間としてください。濃厚接触者の方は体調の変化に慎重に注意してください。もちろん症状が辛い時は医療機関に相談して下さい。
・症状が出た時に、医療機関の受診方法を事前に確認しておきましょう。
2023年秩父地域と新型コロナ(3)
桜も咲き暖かい日が多くなってきました。雨が降って一時落ち着いた花粉もここにきてまたたくさん飛び始めています。スギ花粉は減ってきましたが、ヒノキ花粉が増えています。ヒノキ花粉になると喉の痛みや咳などの症状が増える傾向があります。ヒノキ花粉症の方は引き続き注意してお過ごしください。
新型コロナウイルス感染症については、現時点では落ち着いています。新規感染者は秩父地域でも一日当たり10人を下回る日も増えており、ほとんど出会わなくなってきました。インフルエンザもかなり限定的で、大きな流行は見られていません。※埼玉県全体でみるとインフルエンザの流行は緩やかに続いています
この春休みは感染リスクも低くなっており、人に会ったり、出かけたりするにはいい時期になりそうです。少し緊張を解いて楽しい時間を過ごしていただければと思います。
さて、3月13日からマスク着用は『個人の判断』が基本ということになりました。今のところ人の集まる所ではマスクをしている人が多い印象ですが、判断の目安について私の考えを書いてみます。
《マスク着用が必要な状況》
前提として屋外や人と接触しない場合のマスク着用は不要です。また、自身の体調や皮膚トラブルなどでマスクの着用が困難な方もいらっしゃいます。
人と近い距離で会話する場合や人が密集する場面などでマスクの着用について検討してください。
①自分が感染症にかかりたくない時
(1)高齢であったり、持病があったり、妊娠中で、感染症にかかることで重症になってしまう心配がある方で、人と接触する時。
(2)大事な仕事の前であったり、試験の前であったり、感染症にかかると困る時。
(3)重症化リスクの高い人と同居しているなど、感染するリスクを極力避けたい時。
②感染したくないと思っている可能性のある人と接触する時
(1)医療機関、高齢者施設など、重症化リスクの高い人と接触する可能性のある時。
(2)電車やバスなどの公共交通機関や不特定の人が集まる場所。
(3)不特定の人と会話を伴う接触をする仕事や飲食店など。
※感染したくないと思っていても相手にマスクをして下さいとはなかなか言えません。現時点では周囲の人に配慮した判断が必要と思います。家族や気心の知れた仲間内で集まる時などお互いが不安を感じていないことがわかっている時はマスクは不要と思います。
現時点は流行期ではないので、マスクについてもあまり神経質に考える必要はないと思います。コロナについても他の感染症についてもうつる心配も、うつしてしまう心配も少ない状況です。ただ、今後も感染症の波は必ず訪れます。『もうマスクは不要』という事ではなく、流行状況や周囲の状況によって柔軟に判断する様にして下さい。
コロナの扱いは大きく変化していきますが、コロナが『とにかく流行り始めると急激に膨大な感染者が出てしまう』『体力の低下した人にとっては致命的な病気である』という事実は変わりません。
コロナの事は報道などはほとんどされなくなっていますが、是非今後もコロナの状況には一定の注意を払って頂き、再流行時は第8波の時の様な悲惨な状況にならない様ご協力頂ければ幸いです。よろしくお願いします。
最後に繰り返しになりますが、今は息の抜き時、遊び時です。家族や友人に会ったり、歓送迎会したり、お花見したり、今の時期に是非楽しんでお過ごし下さい♪
2023年秩父地域と新型コロナ(1)
刺すような寒さが襲ってきました❄️
10年に一度の寒波とのことですが、本当に今までと段階の違う寒さがきた感じがします。秩父地域では今週は最低気温が-10℃にまでなる予報が出ています。厳しい寒さは病気や怪我の発生を増やしてしまうので、なるべく暖かくして気をつけてお過ごしください。夜間も朝方の冷え込みが強くなるので、部屋全体をある程度暖かく(20℃以上くらい)して、しっかり加湿する(50%くらい)ようにしてください。また車の事故などにもくれぐれもお気をつけください。
さて、最近の新型コロナの状況ですが、先週の後半くらいから急激に感染者数は減少してきました。秩父地域でも明らかに減少していることを肌で感じています。減ってきた原因ははっきりしませんが、今回の第8波では、昨年の夏以降(7月以降)でコロナに罹った人が再度感染しているケースは極めて稀でした。そういう意味ではオミクロン株のB.A.5以降の変異株に罹った人、11月下旬以降にオミクロン対応株ワクチンを打った人達は、感染予防の免疫がついており、集団免疫がついてきたのかもしれません。年末の大きな山である程度流行りきってしまった可能性があります。最近になってオミクロン株対応ワクチンの効果が明らかになってきました。感染予防効果は70%程度、重症化や死亡の予防効果は80-85%程度と言われています。またすでに出てきている変異株に対してもある程度効果が期待できそうです。個人的には本当に70%も予防効果があるのかな?という気もしていますが、重症化予防効果はあると感じています。まだ受けていない75歳以上の方は、是非接種をご検討ください。
一方でインフルエンザAが急激に流行してきました。年始から当院でも1週間あたり20名程度のインフルエンザ患者さんがいましたが、最近では1日に10名程度のインフルエンザ患者さんがいます。複数の学校で学級閉鎖などもみられており、現在は小児に多い印象ですが、これから広い世代に拡大していく事が懸念されます。インフルエンザの患者さんはやはり高熱の方が多い印象で、強い倦怠感があり、診察中も座っているのがしんどいという感じです。咳と鼻汁症状が多く見られます。なぜかはわかりませんが年末頃にコロナに罹患して、年始にインフルエンザに罹患する人がとても多く感じます。インフルエンザは寒くて乾燥している環境が大好きなので、本番はこれからです。注意してお過ごしください。インフルエンザの急激な拡大も、コロナの収束に関わっているかもしれません。ウイルスは一つが大流行すると他のウイルスは流行しにくくなる傾向があります。今はインフルエンザに置き換わりが進んでいるのかもしれません。インフルエンザはワクチンは今月中はまだ接種する事ができます。重症化リスクのある方や、受験生などは接種を検討されると良いと思います。また発熱してインフルエンザが心配な場合、医療機関で検査を受けるのは、発熱から半日ぐらい時間をおいて検査すること望まれます。早すぎると、陽性の時は確定できますが、陰性でも否定はできません。体調に余裕がある場合は半日ほど解熱剤等で様子を見てから受診して頂くと良いと思います。症状が強く辛い時は我慢せずに医療機関にご相談ください。
インフルエンザの流行に伴い、当院の風邪症状外来はまだ余裕のない状態が続いています。極力お電話いただいた方は診療する様にしておりますが、診療が午後になってしまったり、どうしてもお断りせざるを得ない場合もあります。ご迷惑をおかけし本当に申し訳ありません。今後もできる限り頑張っていきます。風邪症状外来受診の際は、引き続き事前の電話連絡を何卒よろしくお願いします。
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